ひょうご就農支援センター

新規就農者の声Voice of seniors

先輩No.021
夢をあきらめず就農へ

農業はわからないことだらけ。気軽に相談できる仲間づくりを。

取材日:令和8年8月
豊岡市加陽で祖父の後継者として就農して6年目の安達陽一さんを取材しました。

安達陽一氏写真

農業をめざした動機、きっかけは?

安達氏:祖父母が専業で、子供のころからずっと農作業を見てきたこともあり、農業をやりたいという夢を持ち続けてきました。

大学院まで行って農学を学び、現地の農家とも出会った結果、農業経営は難しいなと実感し、一度就職の道を選びました。

その後、やはり農業をやりたいと思う気持ちが再び湧いてきたことで、家族の経営を継ぐことを決意しました。

就農してよかったことは?

安達氏:自分が好きだったことができているので、心の健康が保てています。

苦労したことは?

安達氏:就農計画をしっかり立てたつもりでしたが、コロナや中東情勢の影響によるナフサ不足、資材高騰など想定外の事態が続き、計画の実現に向けて先が見えない状況が続いていることです。

特に資材高騰がキャッシュフローに大きく影響したため、効率化を真剣に考えるようになり、野菜では少量多品目からにんじんと白ねぎへの品目集約という決断に至りました。

栽培品目を絞ると大規模農業経営の視点が必要で、これまでのような家族労働に依存した働き方は難しくなります。家族以外の雇用を確保することの必要性を強く感じています。

ねぎ作業
ほ場

農業経営の状況について教えてください

安達氏:農地は837a(うち借地335a)で、水稲、野菜、果樹栽培をしています。水稲は590aで「コウノトリ育む農法」にも取り組んでいます。

近隣地域には3つの営農組合がありますが、どこも高齢化で今後の継続が難しくなりつつあるので、年々地域の農地を任されることが増えている状況です。また個人で取り組んでいる水稲農家の方も農業機械の更新の時期が来たらやめようといった声も聞いており、今後もさらに増える可能性が高くなっています。

野菜は150aで、トマトなどの施設野菜とにんじんや白ねぎなどの露地野菜を栽培しています。少量多品目生産をしていましたが、それぞれの品目の栽培期間が短くなり技術や経営効率の向上が難しいです。そこで、最近は品目を有機栽培によるにんじんと白ねぎに絞って経営を行っています。

果樹は96aで、地域では珍しい銀杏の栽培に挑戦しています。

労働力は私と常時雇用2人の3人で、季節ごとに臨時雇用も入れています。出荷先は、JA(直売所含む)や青果市場、有機農産物を取り扱う卸業者です。今後は、有機農業をベースに経営を規模拡大していきたいです。

後輩へ贈る言葉は?

安達氏:自分は親元就農で恵まれた条件のなか就農できましたが、イチから独立就農される方は覚悟をもって入念な準備をしておくのがよいと思います。

また、品目を絞ることで一つの作業に従事できて経験値が高まり、人が育ちます。経営開始時には、できるだけ品目を絞って仕事を効率的に回すことを考えていくことをお勧めします。

私は「豊岡オーガニックワークス」という有機にんじんを栽培するグループのメンバーですが、グループには入っておくことをお勧めします。農業はいろんな経験が必要で、わからないことが多いため、気軽に相談できる仲間がいることは本当にありがたいです。

特に、有機栽培の詳細な技術についてはあまり事例がないので、ともに試行錯誤できる仲間がいることは個人でのリスクの軽減にもなります。

ハウストマト
新規就農(令和8年8月取材時点)先輩DATA
安達氏写真

氏名:安達陽一 (あだちよういち) 住所:豊岡市加陽 年齢:34歳 就農区分:親元就農

【就農から現在まで】 平成28年3月  弘前大学大学院卒業 平成28年4月~令和2年3月まで  豊岡市役所に勤務 令和2年4月から 就農

【農業経営の状況】 農地:837a(借地335a)  水稲590a、野菜150a、果樹96a 施設:ハウス 経営内容:野菜(白ネギ、有機にんじん、トマト)、 水稲(特別栽培米ほか)、果樹(銀杏) 労働力:本人、雇用2名、季節雇用 出荷先:JA、青果市場、 有機農産物を取り扱う卸業者

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