ひょうご就農支援センター

新規就農者の声Voice of seniors

先輩No.011
~自己責任だからこそやりがいがあって面白い~メロン畑氏写真

一度きりの人生なので自由に楽しみましょう

取材日:令和5年2月
姫路市林田町で一玉ずつ収穫時期を見極めた姫路メロンを栽培する片岡佑介さんを取材しました。

片岡佑介氏写真
~自由で楽しそうな農家に憧れ~

就農のきっかけは?

片岡氏:大学で農学部に通っていた時に農業バイトに行く機会があり、そのときに自由で楽しそうな農家の姿を見て憧れるようになりました。

大学卒業後はいつか就農したいと思い、会社員をしながら資金を貯めていました。そんな中、勤務先が農業関係事業から撤退することになり、これを運命だと思って退職し就農することを決意しました。

なぜ姫路でメロンを作ろうと思ったのですか?

片岡氏:実は元々メロンは味が苦手だったのですが、会社員時代に出会った千葉県のメロンがあまりに美味しくて衝撃を受けました。農業をするなら直販をしたいと思っていたので、技術の差が出るメロンは自分で価格を決めたりお客様の反応を直に感じることが出来る作物として面白いと感じました。

そして千葉県のメロン産地へ2年間研修に行き、技術をしっかり学びました。出身地である兵庫県で就農しようと決めていて、研修中から県内の市役所に相談に行ったり各地を視察していました。その中で姫路市で運良くまとまった農地と倉庫付きの家を借りられるという話がありました。姫路市は妻の実家も近く、人も優しく気候も安定しているため、姫路での就農を決意しました。

農業を始めるにあたってどんな工夫をされましたか?

片岡氏:色々な農家を回りながら自分がどのような経営をしたいか、具体的にイメージを考えました。「姫路でメロンを作る」ということへの戦略分析をした結果、コストを下げて安定した美味しさを訴求して直販するというモデルが、小規模でも経営していけると考えました。

栽培では、温度管理の徹底に一番気を遣っていて、トンネル内の温度確認をしながら、ビニールを毎日開け閉めしています。元々水田だったほ場なので水はけが悪く、明渠や堆肥などで土壌改善に取り組みました。そして完熟のメロンをお客様に届けるため、一玉ずつ熟度を見極めて収穫しています。

姫路メロン
姫路メロン
直売所写真
~口コミの力が大きかった~

どのような苦労がありましたか?

片岡氏:1年目はまだ知名度も低く、直売でもなかなか売れませんでした。なので、まずは自分のメロンを知ってもらうことから始めました。イベントでの出店やチラシ配布をしたほか、試食やメロン2玉買った方に1玉おまけを付けるといったことをして、まずは味を知ってもらおうと取り組みました。作ったメロンの半分くらいを無料で配布したかもしれません。

これがお客様に好評で、知名度が口コミで広がっていき、3年目からはおまけ無しでも完売するようになりました。最初は5年かけてお客様をつけていこうと思っていたのでよかったです。メロンという意外性もあって、口コミの力は大きかったですし、地域の方々にも熱意を感じてもらえたのではないかと感じています。

~「こんな美味しいメロンは初めて!」と喜んでいただいた~

農業を始めてうれしかったことは何ですか?

片岡氏:初めて自分だけで作ったメロンの出来がよく、お客様に「こんなに美味しいメロンを食べたのは初めて!」と喜んでいただけたことが一番嬉しかったです。

就農から5年が経ちますが、毎年「ちゃんと作って売れるか」心配はつきません。でも出来た時が嬉しいです。メロンのシーズンが終わると「もういい」って思いますが、半年経つとまたやりたくなります。

農業は気候に左右されるなど不安定な面もありますが、栽培や販売は楽しく、精神的に充実し、就農して本当によかったと思っています。

作業の様子

今後の目標を教えてください

まずは、現状の規模で全量直接販売にして、小規模でも経営できるモデルを確立したいと思っています。そして長期的には固定観念にとらわれず、自由に農業を楽しみたいです。フルーツの品目を増やし、加工品や観光農園などに挑戦して、より多くの人と触れ合える環境を作りたいです。自分の姿を見て一人でも就農したいという人が現れたら嬉しいです。

~一度きりの人生を楽しみましょう~

就農を目指すみなさんにメッセージをお願いします

色々な農家を見ることが大切です。実際に話を聞いたり見たりすることでイメージが広がっていくと思います。経営は判断の連続ですべて自己責任だからこそ、やりがいがあって面白いです。一度きりの人生なので自由に楽しみましょう。

新規就農(令和5年2月取材時点)先輩DATA
片岡佑介氏写真

氏名:片岡佑介(かたおかゆうすけ) 住所:姫路市林田町下伊勢 年齢:38歳 就農区分:Uターン

【就農から現在まで】 平成28年 離職後千葉県の メロン農家で2年間研修 平成30年 姫路市林田で就農

【農業経営の状況】 農地:100a(借地100a) 施設:ビニールハウス1棟、ブドウ棚 経営内容:メロン(25a)、ブドウ(15a)、 水稲(50a)、野菜(10a)など 労働力:本人、妻 出荷先:直販、JA直売所、地元スーパー、 姫路市中央卸売市場、ネット販売など

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