ひょうご就農支援センター

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先輩No.010
花壇苗っておもしろい 植田諒介氏写真

花壇苗っておもしろい

取材日:令和4年12月12日
加古郡稲美町野谷にあるガラス温室を中心に花壇苗を栽培する植田諒介さんを取材しました。
温室の前には、小さくて可愛らしいビオラやパンジーの苗がたくさん並んでいました。

植田氏:元々、父親がバラの切り花農家をしていたので、将来は農業を継ぐとは思っていました。ただ、他の作物や経営も見てみたくてトマトやいちごなどいろんな農家に研修やアルバイトにいきました。

2012年から勤務した岡山の大型園芸店でいちご苗や花壇苗の生産管理と販売を任されたのですが、季節ごとにいろんな種類や色の花壇苗を遠くから買いに来られるお客さんを見ていて花壇苗の持つ魅力、面白さに気づきました。

2016年、実家の稲美町に戻って花壇苗農家として新規就農する。

植田氏:花壇苗は、大きなトラクターや機械はいりませんし、父親のガラス温室もあったので、就農するために最初の運転資金以外、特に大きな投資は必要ありませんでした。なので、そんなに不安もありませんでしたよ。

むしろ、1からパンジー、ビオラの栽培ができるので楽しかったです。ただ、販売については、最初は自分でお客さんを呼ぶのが大変なので、JAの直売所を利用することにしました。今は、市場出荷もしますが、納期の決まった納入は苦手です。

花壇苗
花壇苗

植田氏:直売所メインで販売しているので、品種や色・形は、直売所のお客様がどんなものを好まれるかで考えています。

それと、直売所でコンスタントに販売するために、去年の売上実績の分析は欠かさず行っています。

初心者でも栽培しやすい品種、安定感のある定番品種、フリルや流行りのくすみカラーの品種など考えるのも楽しいですよ。

植田氏:最初は病気を出して全部枯らしてしまったこともあります。

どうすればいいかわからなかったときに、近くで花壇苗を作っている農家を親方農家として紹介してもらいました。水やりの方法から販売までいろんなことを教えてもらいました。一人でやっていてはわからなかったこともたくさんあったので、すごく感謝しています。

今でも、情報交換をしたり、イベントを一緒にやったりといいお付き合いをさせてもらっています。

植田氏は、稲美町内の花壇苗農家と「FLOWER365」というグループを結成し、共同で消費者へのPRを実施しています。また、同グループがJA直売所の植栽を行い、地域景観の形成にも貢献しています。

最近、親方に水やりスタイルが似てきた、と取材に同行した花担当者。まじめで堅実な感じが作業管理にも表れています。

就農直後から、JAの青壮年部や青年クラブにも積極的に参加しています。

flower365による花絵
flower365による花絵

植田氏:親方農家も含め、地域の人や青年クラブ、JAの青壮年部の仲間にも支えられてここまでやってこられました。

クラブや青壮年部で行っている小学校や保育園の体験イベントや地域のイベントに参加することで自分たちの活動も知ってもらえるし、つながりもできています。クラブでは、野菜や水稲、養蜂など自分がやってない品目のクラブ員と情報交換できておもしろいですし、今は自分より若い年齢の人が増えてきたのでいい刺激をもらっています。

最近では、栽培も売上も安定してきたので、そろそろ若い人を雇用したいと考えています。自分も親方やいろんな人から教えてもらったので、今度は自分が指導していく番だと。今より栽培規模ももう少し増やせますしね。

そして、ちょっと自分の余裕ができたら、自分の所に来てもらって直接売っていきたいです。好みや使い方、きれいに咲かせる方法など、お客さんと対面で話しながら花壇苗を買ってもらう、そんな自分も楽しめる売り方が今後の目標ですね。

植田さんの親方農家:山口順治さんはこちら
(山口さんは当ホームページの「先輩の声」に掲載されています)
新規就農(令和4年12月取材時点)先輩DATA
植田諒介氏写真

氏名:植田諒介(うえだりょうすけ) 住所:加古郡稲美町野谷 年齢:35歳 就農区分:Uターン

【就農から現在まで】 2015年 離職 2016年 就農、 就農スタートアップ支援事業を活用 (後継事業:地域の担い手定着応援事業) 2022年 現在に至る

【農業経営の状況】 農地:28a(借地20a) 施設:ガラス温室4棟800㎡ 経営内容:花壇苗20a、バラ鉢苗3a 労働力:本人、パート3名 出荷先:JA直売所、 ホームセンター(直卸)、生花市場

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