ひょうご就農支援センター

新規就農者の声Voice of seniors

先輩No.009
従業員がイイ顔をして仕事できる会社にしたいてすね 野添丈典氏写真

「農業は脳業」頭を使わないと成り立たない

取材日:令和4年9月29日
淡路島七福神霊場のひとつ宝生寺(淡路市里)の眼前で、水稲を中心とした土地利用型農業を営む就農8年目の野添丈典さんを取材しました。

野添農園のお米
「漠然と体力さえあればなんとかなる、と思ってました。」

農業の経験は無かったのですか?

「そうですね。大学では水産の研究をしていて、就職も水産関係でした。妻との結婚を機に就農することになりました。」

就農することに不安はなかったですか?

「学生時代の陸上部の練習に比べればそれ以上しんどいことはないと思って、飛び込みました!」

野添農園では、ひょうご安心ブランドを取得している水稲を中心に、裏作としてたまねぎ、キャベツなどの栽培にチャレンジしている。今年で就農8年目となる野添丈典さんは、経営主である義父とともに、農作業や経営について日々勉強している。

「結婚を機に農業に初めて携わりました。」

学生時代や社会人の頃は水産系に関わっており、会社の取扱商品の品質検査員として海外の関連企業との間を取り持つ仕事を約3年半続けていました。その後、ワーキングホリデーを活用し海外での仕事に従事する中で野添農園の跡取りである奥様と出会い農業を始めるきっかけとなりました。

ご両親の反応は・・・?

「自分の両親からは『日本にいてくれるならどこでも良いよ』と。就職してから海外が長かったので。農家になることについては特に何も言われませんでしたね。」

奥さんのご両親には反対されず?

「結婚する=跡取りになる、という状態でしたので妻はウェルカムな状態でした。後から聞いたんですが妻のご両親は反対というよりは、『本当に続けられるのか…?』と心配していたみたいです。」

育苗

そんな中、就農して気づいたことはありますか?

「思っていたよりも機械作業が多くて驚きました。農作業体験と違って田植えから米になるまで手を使うことはほとんど無いんですよ。機械に慣れるのは早かったと思いますけど色々と壊しましたね。。。今のところは機械の修理代くらいで済んでます。ただ機械を扱っているのでちょっとしたことで大けがに繋がるのでそれだけは気をつけています。」

野添丈典氏写真 稲刈り
「上手くいかないことの連続」

実際に農業をしてみて大変なことは何ですか?

「自然との戦いだなと思いますね。最初は植えたら順調に育って収穫できると思ってたんですけど思った通りに収穫するのが難しいですね。それがやりがいなのかもしれないですけど。あとは台風とかイノシシとか。」

逆に楽しみとかはありますか?

「草刈りや稲刈りなど新しいことを覚えていったり、作業後に振り返ったときのこんだけやったんや!という達成感があります。最近は覚えることが減ってきて刺激が少ないですね。あとは水路やため池でいろんな生き物が見られるのは楽しいですね。ブラックバスやフナ、カメがいたこともありました!ついつい目で追いかけがちです。」

「農業は脳業」

作業の段取りなどは、今はお父様がメインでされているのですか?

「そうですね。ただ、最近は割と自分なりに考えたりもしますね。慣れてきたのもありますけど。経営のコスト計算は会社員時代にある程度勉強していたのでできないことはないのかなと思います。農業は頭を使わないと成り立たないと思ってるので脳業って言っても良いんじゃないですかね!」

青年クラブで同年代の方と話する機会があると思いますが刺激になることとかありますか?

「そうですね。淡路市の青年クラブは違う作物の人が多いのでいろんな話を聞けて面白いです。人手があれば花やってみようかなと思ってます。キャベツが栽培4年目になるんですが最初はひどかったですよ。最近ものになってきましたが色々聞きながらやってますね。」

白ごはんに梅干し
野添丈典氏写真 たんぼにて
「従業員がイイ顔をして仕事できる環境にしたい」

野添農園では、本人、義父の他、ベテランの従業員1名、若い従業員1名を雇用しており、心強い存在だと感じていると話す。

「自分もそうですけどやっぱり従業員がイイ顔で仕事できるような会社にしたいですね。暗い顔をして仕事するのは楽しくないですし、働いてくれている従業員には「農業の将来は明るいぞ!」と思ってもらいたいですね。」

そのために今後取り組みたいこととかありますか?

「これから農業で生き残っていくためにはネットを上手く使える人が強いと思います。うちも楽天等のネット販売もあるんですけど競合が多くて差別化するのが難しいんですよね。若い従業員の子がデザイン系を勉強してたので時間を作って作成して欲しいんですが今は作業に追われててその時間が足りてない感じです。あとは色々と新しいことも始めたいんですが作業時間をどう確保していくかが課題です。」

義父から技術を学びながら、水稲を主軸とした経営を続けていきたいと考える一方、栽培品目の多様化により安定した経営に向けた取り組みや、新しい事にもチャレンジしていきたいと語る野添さん。「自分が経営を継ぐ」ことを見据え、これからも前向きに農業を続け、地域の中心的存在となっていくのでは、と感じました。

新規就農(令和4年9月取材時点)先輩DATA
野添丈典氏写真

氏名:野添丈典(のぞえたけのり) 住所:淡路市里 年齢:39歳

【就農から現在まで】 平成26年 ワーキングホリデーから帰国 同年 就農(親元就農) 平成27年 結婚 同年 淡路市農業青年クラブ入会 現在に至る

【農業経営の状況】 農地:約23ha(うち借地22ha) 経営内容: 水稲23ha、たまねぎ20a、キャベツ50a 作業受託10ha(稲刈り~乾燥調整) 労働力:本人、義父、従業員2名 出荷先:幼稚園、学校給食、ECサイト等

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