ひょうご就農支援センター

新規就農者の声Voice of seniors

先輩No.003
なんというか仕事ではなく生活の一部ですね(花き農家:山本晃大)

『花を見て怒る人はいない』って言葉にはハッとしましたね。

取材日:令和3年7月27日
淡路市西海岸に面した『花と香りのふるさと』一宮地区で、ストックを中心とした農業を営む新規就農4年目の山本晃大さんを取材しました。

「『花』で生活に寄り添えているのかなぁ、と思います」

花は見た瞬間に人を笑顔にできますよね。

山本氏:そうですね。買ってくれる人が『綺麗やわ』『いい匂いやわ』と言ってくれるのがやりがいです。でもまぁ、一応仏花なんですけどね。

ストックは、豪華な花付きと優しい香りが特徴の淡路島を代表する切花の一つで、出荷シーズンには温室内に色鮮やかな絨毯を敷いたような美しい光景が広がる。
山本農園では、ストックを中心に水稲、ブルーベリー、すいかなどを栽培している。
今年で就農4年目となる山本晃大さんは、経営主である父を手伝いながら、農作業や経営について日々勉強している。

「いつかは農業をするのかなぁと思ってました」

中高生の頃からストック栽培の手伝いをするなど、農業を身近に感じながら過ごしていた。大学院、景観園芸学校を修了後、大阪の造園会社に就職。ガーデナーとして5年間、花壇のデザインや植栽、管理を担当していた。

山本氏:花を扱う仕事で、楽しいなぁと思ってましたし、植物を使う側のことを勉強する事ができたかなぁと思います。取引先からも『ええ仕事やね』って言われたり。『花を見て怒る人はいない』って言葉にはハッとしましたね。

どこかのタイミングで淡路に戻ろうと考えていたのですか?

山本氏:頭の片隅にはありましたし、せっかく施設があるのにもったいないな、とか思ってたので、いつかは淡路に帰って農業するのかな、と。

造園会社在職中に結婚し、2017年、長男が1歳の時に退職し、淡路に帰り就農した。

ご両親の反応は・・・?

山本氏:仕事を辞めて淡路に帰ることは伝えてましたが、農業するとは言ってなかったんです。
なので、『こんな仕事あるぞ』とか色々仕事の斡旋をされましたね。週末に草刈り手伝ってくれるとか、そういうイメージだったのではないでしょうか。
ただ、就農することに反対されるとかはなかったですね。

奥さんのご両親には反対されず?

山本氏:いや、ありましたね。反対というよりは、帰って仕事は何するの?公務員とか?って聞かれましたね。

そんな中、就農して気づいたことはありますか?

山本氏:手をかければかけるほど良いものができますが、やり出したらきりがないですよね。あとは、小さかった頃には知らなかったことがたくさんありました。夜遅く、僕が寝ていた時間に両親は選花作業してたんやなぁとか、今になって当時の記憶がよみがえったりもします。

「ゆくゆくは自分でやらないと」

家族で農業経営していて、どうですか?

山本氏:一日中一緒にいるので、いろんな話ができますね。居心地がいいです。
なんというか、仕事に行くって感覚ではなく、生活の一部ですね。自分のことして、仕事に戻って、子供を病院に連れて行って、帰ってきて仕事して。もう会社勤めには戻れないですね。

作業の段取りなどは、今はお父様がメインでされているのですか?

山本氏:そうですね。ただ、言われたことだけではだめかなぁと思って、自分なりに考えたりもしますね。
(父親の動きを見ながら)今日はこの作業するかなぁ、これをせなあかんかなぁ・・・とか想像しながら作業することもあります。あ、ちゃうわってなったりしますけど。

自分で段取りを組んでみて、正解かどうか判断するって大事なことですよね。

山本氏:そうですね。ゆくゆくは自分でやらないといけないので。

「もっと農業を見ておけばよかった」

山本農園の周辺には、年齢の近い若手ストック農家が数名おり、農業について色々と話ができ、心強い存在だと感じていると晃大さんは話す。

山本氏:それこそせっかく大阪にいたので、そこで色々と農業を見ておけば良かったなと思います。農業をしている友人とか、話せる人を作っていればよかったなと。

就農者に向けたアドバイスとして、両親とのコミュニケーションや貯金について触れるとともに、その場所でしか作る事のできない人間関係の重要性を語ってくれた。

両親から技術を学びながら、ストックを主軸とした経営を続けていきたいと考える一方、より安定した経営に向けた取り組みや、自身の好きな植物の栽培など、新しい事にもチャレンジしていきたいと語る山本さん。「いつか自分が経営を継ぐ」ことを見据え、これからも前向きに農業を続け、地域の中心的存在となっていくのでは、と感じました。

新規就農(2021年7月取材時点)先輩DATA
山本晃大氏写真

氏名:山本 晃大住所:淡路市尾崎 年齢:34歳

【就農から現在まで】 平成29年 離職 同年 就農 平成30年 淡路市農業青年クラブ入会 現在に至る

【農業経営の状況】 農地:約100a 経営内容:ストック30a(施設),水稲50a, ブルーベリー,すいか,たまねぎ 労働力:本人、妻、両親、祖母 出荷先:ストック 農協共撰出荷、その他 個人販売

ページトップ
© 2021 Hyogo Farming Support Center. All rights reserved.